今回の新劇場版の『ヱヴァ』は、テレビシリーズの単なるリメイクではなく、「完全新作」とも呼べる異なった内容になり、特報映像では「新キャラクター」や「新エヴァ」の登場、そしてテレビとは「異なる結末」を示唆している。第1作目の前編は9月1日の公開予定で、以降2作目の中編、3・4作目の後編・完結編(同時上映)は2008年の公開を予定している。
今回、『ヱヴァ』を製作するのは、テレビシリーズを制作したガイナックスではなく、庵野監督自らがこの映画のために設立した「スタジオカラー」で、配給もクロックワークスとの共同で行なう。また、スタッフでは、鶴巻和哉氏(『トップをねらえ!2』監督)や樋口真嗣氏(映画『日本沈没』『ローレライ』監督)らがテレビシリーズに引き続いて参加するほか、新たに『交響詩篇エウレカセブン』の京田知己氏、『ケロロ軍曹』の佐藤順一氏らが加わるという。
庵野監督は「所信表明」の中で、「本来アニメーションを支えるファン層であるべき中高生のアニメ離れが加速している」とし、疲弊しつつある現状の日本アニメーションの役に少しでも立ちたいと、再映画化に至った理由を述べている。
昨今、アニメビジネスの隆盛が言われて久しいが、一方で、マニア向けのアニメばかりが増え、庵野監督が指摘しているように中高生向けの作品は縮小傾向にある。そのため、現在のアニメ市場は、キッズ・ファミリー向けとオタク向けという二極化が進みつつある。また、製作費をDVDの売り上げで回収するビジネスシステムも限界に来ており、今後の日本アニメの将来を危惧する声は多い。そうした日本のアニメーションの現状に、庵野監督はこの『ヱヴァンゲリヲン』で一石を投じたいようだ。『ヱヴァ』が、疲弊する日本アニメーションの再興を促すことになるのか、業界全体の注目を集めそうだ。
<参照サイト>
Yahoo!Japan エヴァンゲリオン特集
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